音楽・ジャズ・ポップス

ジャズ入門(その1「そもそもジャズって何?」)

ぼくはジャズが大好き。でも、ジャズはなんだか難しそうって思う人も多いのではないかと思います。確かにそういうところもあるかも知れません。でも、ジャズを知ると音楽をより深く楽しむことができるようになるし、何より素晴らしい演奏(CD)がたくさんあって、人生が豊かで楽しくなります。あと、「ジャズが好き」って言えるようになると、ちょっとカッコいいじゃないですか?(笑)それで、これから数回に分けて、ジャズを聴いたことがないという方や、もっと知りたい、という方のためにジャズの簡単な説明をしたいと思います。

ぼくは高等学校のジャズビッグバンドを17年指導してきて、たくさん勉強しました(笑)。ステラジャムという大会があるのですが、その大会では2回優勝するという経験もさせていただきました。バンドを指導するにあたり、素晴らしいプロのミュージシャンからもたくさん教えを受けました。そうしたものもシェアしていければな、と思っています。

そもそもジャズとは何でしょう?これからぼくの考えをシェアしますね。(いろんな考えがあるので、あくまでもぼくの考えですが、おそらく入門にはふさわしいと考えています。)ジャズは90%が例外だと思います。それだけに、例外ばかり聞いていると何が大元の形なのか分かりにくいんですね。なので、ジャズの原型みたいなものを想定したいと思います。面白いことに、ジャズの原型みたいな演奏って、ほとんどないのですけれど。笑

ぼくはジャズは俳句だと思います。短くて12小節、長くても32小節の短い曲があって、その曲のコード進行をそのまま利用してアドリブを演奏する。そして最後にまた元のメロディーを演奏して終わり、というのが一番単純なジャズの原型です。そして、一番シンプルな演奏者の形態はピアノ、ベース、ドラムスのピアノトリオになります。そこにサックスやトランペット、トロンボーン、ギターなどが加わっていきます。ピアノトリオに一人加わればカルテット、二人加わればクインテット、3人加わればセクステットといいます。まとめると、ジャズ演奏のシンプルな形は次のようになります。

  1. 12〜32小節の短い曲をみんなで演奏する。(この部分をテーマといいます。)テーマの演奏は1回(1コーラスという風に数えます)か2回(2コーラス)が普通です。
  2. テーマに使われているコード進行(伴奏)をそのままに、一人ずつアドリブを演奏します。1曲分の長さを1コーラスと数えると言いましたが、アドリブ演奏は事前に誰が何コーラス演奏するのか決めておきます。例えば、「テーマをみんなで2コーラスやったら、最初のアドリブをピアノが4コーラス。次にサックスが2コーラス、そしてベースとドラムが1コーラスずつやろう。」そんな風に決めておくのです。
  3. 4バース。ソリストが4小節、ドラムが4小節、次のソリストが4小節、ドラムが4小節、こんな風に1〜2コーラス。
  4. 最後にもう一度、1回か2回(つまり1コーラスか2コーラス)テーマを演奏して終わる。

ジャズの面白いところは、世界中の人が出会った瞬間に演奏できること。そしてアドリブ(インプロビゼーション)を楽しめることなのですけれども、それを可能にしているのが、このシンプルな、いわば俳句や和歌のような、とってもシンプルな形があるからなんですね。

テーマに選ばれる短い曲の代表はブルースです。これは基本的に3コードだけで12小節の短い曲です。ロックの方もおなじみの曲の形式ですね。単純ですが奥が深い。本当に俳句のようなものと言えるでしょう。世界の各地から来た人が集まって、「ブルースをやろう」と言えばその場でもう演奏ができるようになります。ブルースの曲は何百曲もありますけれど、テーマがなくていきなりブルースのアドリブを楽しむこともできます。

最後にジャズのブルースの名曲をご紹介します。ぜひ聴いて、ジャズの形式に慣れてみてください。テーマがあって、アドリブがあって、最後にテーマがあって終わり。この5、7、5のような形が分かるようになれば、ジャズをもっともっと楽しむことができるようになります。ジャズ・ブルースの名曲Now’s the Time, Blue Monk, Straight No Chaser, Cool Struttin’などがあります。グーグルで、「ジャズ、ブルース、名曲」で検索して、youtubeで聴いてみてください。では、エンジョイ!

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ABOUT ME
つじもと ひでお
こんにちは、つじもとひでおです。大学卒業後、ビール会社に5年間勤めたあと、30年間、高校で英語を教えていました。部活動はジャズバンドの指導もしていました。現在も、新潟ジュニアジャズオーケストラで小学校から高校までの子どもたちにジャズを教えています。